浮き憂き江戸文学♪

江戸時代の作品を崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

鳥山石燕

[21]「山童」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「山童《やまわらわ》」ですヾ(๑╹◡╹)ノ""

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという、意味があるのか無いのかよく分からない企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"


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『怪物画本《かいぶつえほん》』「山男」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻1「山童《やまわらハ》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 比べてみると、顔の感じがずいぶん違いますね。
特に目が石燕の方がずっと怖いです。

こちらの妖怪も説明文がありませんが、それなりにメジャーな妖怪で、『倭漢三才図会』では、「山𤢖《やまわろ》」の名で記載されています。

「わろ」と「わらわ」は同じ意味です。

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『倭漢三才図会』巻40「山𤢖《やまわろ》」[寺島良安編、文政七(1824)年刊]


『怪物画本』では、「山男」になっていますが、『想山著聞竒集』では、『倭漢三才図会』と同じ「山𤢖」という漢字に、「やまをとこ」とルビが振られているので、まんざら間違いでもないですね。
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『想山著聞竒集《そうざんちょもんきしゅう》』巻2「山𤢖《やまをとこ》」[三好想山作。嘉永三(1850)年刊]



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三つ目アイコン ねえ、ねえ、一つ目と二つ目の山童はいるのに、三つ目の山童はいないの?三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 今から君を山に捨てに行くから、君が三つ目の山童になるといいよ北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[20]「野寺坊」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」(またタイトル変えたwww)は、「野寺坊」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという、意味があるのか無いのかよく分からない企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"


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『怪物画本《かいぶつえほん》』「野寺坊」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻二「野寺坊《のでらぼう》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 えっと、野寺坊は石燕の創作妖怪だと思われますが、説明が一切書かれていないので、どんな妖怪かは、一切不明です。
 後ろに野ざらしの古い釣鐘があるのは分かるのですが。。。

 このままだと尺が足りないので、おまけとして、河鍋暁斎《かわなべきょうさい》の描いた野寺坊を載せておきます。

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 これはパクりではなく、「鳥山石燕筆 百鬼夜行 画巻之内 暁斎写」と明記されています。

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haname 野寺坊ってどんな妖怪なの?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目アイコン 知らないよ!三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 見た目的に、てっきり三つ目の仲間だと思ってたwww北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[19]「白粉婆」~鳥山石燕の妖怪画と『怪物画本』を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname  今回の「鳥山石燕の妖怪画と『怪物画本』を比べてみたよ」は、「白粉婆」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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 鳥山石燕の妖怪画(『今昔百鬼拾遺』)には解説文が書かれているので、原文と現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「白粉婆々《おしろいばば》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔百鬼拾遺』巻一「白粉婆《おしろいばヽ》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]



※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】
   
   白粉婆《おしろいばヽ》
   白粉婆《おしろいばば》

 紅白粉《べにおしろい》の神《かミ》を脂粉仙娘《じふんせんじやう》と云ふ。
 紅《べに》や白粉《おしろい》[化粧品]の神を脂粉仙娘《じふんせんじょう》と言います。

 白粉婆《おしろいばゝ》ハ、此の神の侍女《ぢぢよ》なるべし。
 白粉婆は、この神の侍女なのでしょう。

「恐ろしき物、師走《しハす》の月夜《つきよ》、女の化粧《けはい》」[正しくは「凄《すさま》じき物、師走の月夜、老女の化粧」]と昔より言へり。
「恐ろしい物は、師走[十二月]の月夜と女の化粧[十二月の寒空の下でわざわざ月を見ないように、老女の化粧も誰も興味がないという事]」と昔から言います。


haname【解説】


 傘を被って徳利を持っている姿で描かれていますが、これは小僧系の妖怪と類似していますね。
 両者には何か関連があるのでしょうか???

「脂粉仙娘」という神様、調べたのですが、石燕の創作だったのか、他の資料では存在が確認できませんでした。
 となると、「白粉婆」も石燕の創作でしょうか?

 要するに、化粧した老女はバケモノだという事を、石燕は言いたかったのでしょうか?
 だとしたら、失礼な話ですよねw


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三つ目アイコン うふ、おしろい坊主よ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目おしろい

haname 君の場合は、おしろいというより、おもしろいだな北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[18]「古庫裏婆」~鳥山石燕の妖怪画と『怪物画本』を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname  今回の「鳥山石燕の妖怪画と『怪物画本』を比べてみたよ」(またタイトル変えたwww)は、「古庫裏婆」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「庫裏婆々化」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『今昔百鬼拾遺』巻一「古庫裏婆《こくりばヾ》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]



※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】
   
   古庫裏婆《こくりばヾ》
   古庫裏婆《こくりばば》

 僧《そう》の妻《つま》を梵嫂《ぼんさう》と言へる由《よし》、輟耕録《てつこうろく》に見えたり。
 僧の妻を梵嫂《ぼんそう》と言う事は、『輟耕録《てっこうろく》』[中国の随筆。一三六六年序、陶宗儀《とうそうぎ》作]に書いてあります。

 或る山寺《やまでら》に、七代以前《しちだいいぜん》の住持《ぢうぢ》の愛《あい》せし梵嫂《つま》、其の寺《てら》の庫裏《くり》に住ミ居て、壇越《だんおつ》の米錢《べいせん》を掠《かす》め、新死《しんし》の屍《しかばね》の皮《かは》を剥《は》ぎて、餌食《ゑじき》とせしとぞ。
 ある山寺に、七代より前の住職が愛した梵嫂(妻)が、その寺の庫裏《くり》[住職と家族が住む建物、寺務所や台所を兼ねる場合もある]に住んでいて、檀家《だんか》が供えた米や金銭を盗み、亡くなったばかりの死体の皮を剥《は》いで食べたという事です。

 三途河《さうづがハ》の奪衣婆《だつゑば》よりも恐ろし/\。
 三途の川の奪衣婆《だつえば》よりも恐ろしいです。


haname【解説】

 古庫裏婆、古い庫裏に住む婆の妖怪ということでしょう。
 恐ろしいもののことを「蒙古高句麗《むくりこくり》」というので、その意味も込められているのかもしれません。
「狐狗狸《こっくり》さん」とは関係あるんですかね???

 奪衣婆は死者の衣類を剥ぐだけですが、古庫裏婆は死体の皮を剥ぐというね、ガクブル。

『怪物画本』では「庫裏婆々化」とヘンテコな名前になっていますが、「くりばばばけ」とでも読めばいいのですかね???

『輟耕録』には「梵嫂」のことが書かれているだけで、「古庫裏婆」のことは書かれていないので、古庫裏婆は、石燕の創作妖怪だと思われます。
 女人と交わることがタブーとされている僧が妻を持つと、その妻は妖怪となって、僧の死後もずっと寺を悩ませるという、戒めの意味を込めて作られた妖怪でしょうか?

 挿絵、糸を紡いでいる姿が描かれていますが、ひょっとしたら、糸じゃなくて、死体の髪の毛だったりして、なにげに包丁もありますし、ガクブル。
 まな板の上の柑橘類が、『怪物画本』では団子みたいになっちゃってますね(笑)
 寝ているニャンコは三毛猫ですかね?


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三つ目アイコン 僕はこくり坊主だよヾ(๑╹◡╹)ノ"三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname たしかに、いつも、コクリコクリと舟をこいで居眠りしてるもんなヾ(๑╹◡╹)ノ"北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
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[17]「青行灯」~徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画~

haname 今回の「徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画」は、「青行灯」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「青女房」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『今昔百鬼拾遺』巻二「靑行燈《あをあんどう》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】
   
   靑行燈《あをあんどう》
   青行灯《あおあんどん》

 燈《ともしび》消えんとして、又、明らかに影《かげ》憧々《どう/゛\》として暗き時、青行燈《あをあんどう》と言へる物、現ハるゝ事有りと云ふ。
 行灯《あんどん》の火が今にも消えようとして、影が大きく揺れて暗くなる時、青行灯という妖怪が現れる事があると言います。

 昔より百物語を為《な》す者ハ、青き紙《かミ》にて行燈《あんどう》を貼る也。
 昔から百物語をする人は、青い紙を行灯に貼ります。

 昏夜《こんヤ》に鬼《き》を談《だん》ずる事 勿《なか》れ。
 夜中に怪談話をしてはいけません。

 鬼《き》を談《だん》ずれバ、怪《くハい》到ると言へり。
 怪談話をすると怪奇現象が起こると言います。


haname【解説】

 百物語や青行灯について詳しくは、本館の過去記事や寄稿した記事をご参照いただきたく存じます。



 最後の「昏夜に鬼を談ずる事勿れ。鬼を談ずれバ、怪到ると言へり」という一文は、元々は中国の『竜城録』という書物に記された文章で、日本の『伽婢子』にも引用されており、おそらく石燕は『伽婢子』に依ったと思われます。

『怪物画本』では「青女房」という名前になっていますが、「青女房」は全く別の妖怪です。
「青女房」に関しては、また改めて。
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『今昔画図続百鬼』巻二「靑女房」[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]



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三つ目アイコン 三つ目三つ目三つ目三つ目三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 君はどう見ても青坊主だよね北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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