江戸妖怪界隈

江戸時代の妖怪たちを崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

浮世絵

[31]「清姫」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「清姫」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという、意味があるのか無いのかよく分からない企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画(『今昔百鬼拾遺』)には解説文が書かれているので、原文と現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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HyakkishuYiV1Tori_0018+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「清姫」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔百鬼拾遺』巻一「道成寺《どうゼうじ》の鐘《かね》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】【現代語訳】


道成寺《どうぜうじ》の鐘《かね》
道成寺の鐘

 真那古《まなご》の庄司《しヤうじ》が娘《むすめ》、道成寺《どうじヤうじ》に到り、安珎《あんちん》が釣鐘の中に隠れ居《ゐ》たるを知りて、蛇《じヤ》と成《な》り、其の鐘を纏《まと》ふ。
 真砂《まさご》の庄司《しょうじ》の娘が道成寺に行き着き、安珍《あんちん》が釣鐘の中に隠れているのを知って、蛇となってその鐘に巻き付きました。

 此の鐘《かね》、溶けて湯《ゆ》と成ると言ふ。
 この鐘は溶けて湯のようになったと言います。

 或《ある》いハ曰《いハ》く、道成寺《どうじヤうじ》の鐘ハ今、京都《けうと》妙満寺《ミヤうまんじ》に在り。
 別の説だと、道成寺の鐘は今、京都の妙満寺《みょうまんじ》にあります。

 其の銘《めい》、左《さ》の如し。
 その鐘の銘文は次の通りです。

 紀州《きしう》日高郡《ひだかごほり》矢田庄《ヤだのしヤう》
 紀伊州《きいのくに》日高郡《ひだかごおり》矢田庄《やだのしょう》 (現在の和歌山県)

 文武天皇《もんむてんわう》の勅願所《ちよくぐハんしよ》道成寺《だうじヤうじ》の冶鐘《ヤしウヤう》
 文武天皇《もんむてんのう》勅願《ちょくがん》道成寺《どうじょうじ》冶鋳鐘《やちゅうしょう》 (かつて文武天皇が祈願された道成寺の鐘の鋳造《ちゅうぞう》)

 勧進《くハんじん》の比丘《びく》別當法眼《べつとうはうげん》定秀《でうしう》
 勧進比丘《かんじんびく》(道成寺の住職)瑞光《ずいこう》 
 別当法眼《べっとうほうげん》(寺務を統括する僧官)定秀《じょうしゅう》

 檀那《だんな》源万壽丸《みなもとのまんじゆまる》
 檀那《だんな》(施主《せしゅ》)源万壽丸《みなもとのまんじゅまる》

 并《なら》びに吉田源頼秀《よしだミなもとのよりひで》
 并《ならびに》吉田源頼秀《よしだみなもとのよりひで》

 合山《がつさん》の諸檀越《しよだんおつ》男女《なんによ》
 合力《ごうりき》[分力《ぶんりき》]諸檀《しょだん》男女《なんにょ》 (檀家の男女たちが力を合わせた)

 大工《だいく》山願道願《さんぐハんだうぐハん》
 大工《だいく》(鋳造責任者)山田道願《やまだどうがん》

 小工《せうく》大夫守長《たいふもりなが》
 小工《しょうく》(大工の補佐)大夫守長《たいふもりなが》

 延暦《えんりヤく》一四年 乙亥《きのとのい》 三月十一日
 正平《しょうへい》十四年(西暦一三五九年) 己亥《きのとのい》 三月十一日


haname【解説】 安珍清姫伝説は、真砂《まさご》の庄司《しょうじ》の娘 清姫《きよひめ》が、宿を借りた僧 安珍《あんちん》に一目ぼれして追いかけ、逃げる安珍は最終的に道成寺の鐘の中に隠れますが、蛇となった清姫が鐘に巻き付いて安珍を焼き殺す、というお話です。

 挿絵は、道成寺の鐘に巻き付く清姫の姿が描かれていますが、解説文に清姫という名前は書かれていません。

 道成寺の鐘は京都の妙満寺にありますが、現在残されているのは、元の鐘がボロくなったので、江戸時代に作り直されたもののようです。

 石燕が引用した道成寺の鐘の銘文は間違いがあったので、【現代語訳】には正しい道成寺の鐘の銘文を記しました。

 なんか、『怪物画本』の方、清姫の着物の柄を描くのが面倒だったんですかね?

※参考文献
 寺西貞弘「妙満寺の梵鐘について」『関西大学博物館紀要  第29号』(2023年3月)



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haname 三つ目、蛇を食べたんだって?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン うん、ステーキ注文したら、スネークが出てきたの三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname どんな店に行ってるんだよ!北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[30]「蛇骨婆」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「蛇骨婆」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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16_01蛇骨婆
蛇骨婆+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「へい婆々」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔百鬼拾遺』巻一「蛇骨婆《じゃこつばヽ》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】【現代語訳】


蛇骨婆《じやこつばヽ》
蛇骨婆《じやこつばば》

 唐土《もろこし》巫咸國《ぶかんこく》ハ女丑《ぢよちう》の北《きた》に在《あ》り、右の手に青《あほ》き蛇《じヤ》を取り、左の手に赤《あか》き蛇《じヤ》を取る人住めるとぞ。
 中国の巫咸国《ぶかんこく》は女丑《じょちゅう》の北にあって、右の手に青い蛇を持ち、左の手に赤い蛇を持つ人が住んでいると言います。

 蛇骨婆《じやこつばヽ》ハ此の国の人か。
 蛇骨婆はこの国の人でしょうか。

 或る説に云ふ、
 ある説では、

「蛇塚《へびづか》の蛇五右衛門《じやごゑもん》と言へる者ゝ妻《め》なり。
「蛇塚の蛇五右衛門《じゃごえもん》と言う人の妻です。

 依《よ》りて蛇五婆《じやごばヽ》と呼びしを訛《あやま》りて蛇骨婆《じやこつばヽ》と言ふ」
 なので蛇五婆《じゃごばば》と呼んでいたのがなまって、蛇骨婆と言うようになりました」

 と、未詳。
 と言われていますが、詳細は不明です。



haname【解説】 はい、石燕は蛇骨婆について、巫咸國の人、蛇五右衛門の妻、という二つの説を紹介していますが、結局のところ、蛇骨婆が何をする妖怪なのかはサッパリわかりません。

『怪物画本』の方は「へい婆々」という名前になっていますが、「へび婆々」と書くつもりが誤記で「ひ」が「い」になっただけでしょう。

 なんか『怪物画本』の方、蛇の目がカワイイんですがw


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haname 三つ目が蛇になったって聞いたんだけど?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン うん、最近食べ過ぎで体重がヘビーになったよ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




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鳥山 石燕
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[29]「狐火」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「狐火」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「狐火《きつねび》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻1「狐火《きつねび》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 狸の次は狐ですw

火のついた棒を口にくわえた狐の姿が描かれています。
真ん中のだけが、なにもくわえずにお尻をあげてますがw
奥の山にも何匹かいますね。

『怪物画本』の方はカラーなのはいいのですが、なんか絵がポヤンとしてしまりがないですね。

狐火に関しては、これまた過去記事に詳しいので、そちらをご参照ください。



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三つ目アイコン コンコン三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname キツネのマネか?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン ううん、「誰も僕にお金を持って来ん来ん」って嘆いてるの三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




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[28]「狸」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「狸」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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15_01GazuHyakkiyagyo1Tori_0021

『怪物画本《かいぶつえほん》』「狸腹鼓《たぬきはらつづみ》」
[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻1「狸《たぬき》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 月を見上げて、腹鼓を打とうとしているタヌキの姿が描かれています。

 タヌキは、結構、違った描かれ方をしていますね。
 石燕の方はリアルで、『怪物絵本』は顔の回りも黒くてモフモフで、マンガチックに描かれています。

 何故か、月の形も違いますね。

『怪物絵本』は川に架かる橋が描かれていませんが、めんどくさかったのでしょうか?

 タヌキに関しては、過去記事に詳しいので、そちらをご参照ください。




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三つ目アイコン 僕は、蚊の目玉が、べいよ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname べいよ?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン 「た」抜きでしゃべったの(いよ)三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




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鳥山 石燕
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[27]「海座頭」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「海座頭」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「海座頭」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻2「海座頭《うミざとう》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]
[江戸東京博物館所蔵 CC BY-SA 4.0]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 海座頭は『画図百鬼夜行』が初出と思われる妖怪ですが、説明が何も書かれていないので、どんな妖怪か全く分かりません。

 海坊主や船幽霊の仲間なのでしょうか?



 類似妖怪に大座頭が居ますが関連はあるのですかね???




haname なんか『怪物画本』の方、髪も髭も無くなっちゃって、なぜか眉毛はボ~ンで別人になっちゃってますね。

 ちなみに、背中に背負っているのは琵琶です。


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三つ目アイコン 海座頭と海ぶどうって関連があるのかな?三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname ない!北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
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北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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