江戸妖怪界隈

江戸時代の妖怪たちを崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

妖怪

[40〈終〉]「鉄鼠」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「鉄鼠《てっそ》」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという、意味があるのか無いのかよく分からない企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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21石燕01

石燕02

『怪物画本《かいぶつえほん》』「頼豪《らいごふ》」」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『画図百鬼夜行』巻2「鉄鼠《てっそ》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。



【原文】【現代語訳】

〇 鉄鼠《てつそ》
 頼豪《らいがう》の灵《れゐ》、鼡《ねずみ》と化すと、世に知る所也。

〇 鉄鼠《てっそ》
 頼豪の霊がネズミの妖怪となったのは、誰もが知っていることです。


haname【解説】

 鉄鼠は、延暦寺の横やりに抗議して、命を絶った園城寺《おんじょうじ》[三井寺《みいでら》]の僧・頼豪《らいごう》の怨念が、巨大なネズミとなり、延暦寺の経文を食い散らかしたという、『平家物語』に書かれている話が元となった妖怪です。

『怪物画本』の方は、ネズミの色が黒くて、鉄鼠の耳が赤いのがなんか変ですね。

 鉄鼠に関しては以前取り上げたので、詳しくは過去記事をご参照くださいませ。



haname

 今回で、『怪物画本』に描かれていた妖怪と鳥山石燕の妖怪画の比較が、全て完了しました!

『怪物画本』の序文とか、妖怪の絵以外で気になる点は、引き続き、本館の方で検証する予定なので、本館の方も読者登録やブックマーク、よろしくお願いします。


 こちらは、妖怪専門ブログとして、主に江戸時代の妖怪たちを、これからも紹介していきます。


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三つ目アイコン ぼくも鉄鼠になれるかな三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname そういえば、秀吉は信長にハゲネズミって呼ばれてたよな北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01



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サムネ+

[39]「猫又」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「猫又《ねこまた》」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「猫又《ねこまた》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『画図百鬼夜行』巻2「猫又《ねこまた》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]
[江戸東京博物館所蔵 CC BY-SA 4.0]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。



haname【解説】

 猫は年を取ると、シッポが二つに分かれて、頭に手拭いを乗せて夜な夜な踊ると言います。

 真ん中の猫はシッポが二つに分かれ、手拭いを頭に乗せて踊っている猫又の完全体です。
 右の猫は、手拭いを頭に乗せてはいるものの、まだシッポは分かれておらず、踊りも中途半端です。
 左の猫は、まだ普通の猫です。

『怪物画本《かいぶつえほん》』の方、なぜか猫の柄が変えられていて、顔もなんだかマヌケです。


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三つ目アイコン 僕も猫又になれるかな三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 確かに君はいつも「ねえ、困った」て言ってるけどな北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01



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猫又

[38]「家鳴」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「家鳴《やなり》」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「家鳴《やなり》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『画図百鬼夜行』巻2「鳴屋《やなり》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]
[江戸東京博物館所蔵 CC BY-SA 4.0]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。



haname【解説】

家がガタガタなるのは、小さな鬼のイタズラということでしょうか。

今で言う、ポルターガイスト現象やラップ現象みたいなんもんですかね。

石燕と『怪物画本』では小鬼の表情が全く違います。


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三つ目アイコン わあ、家が揺れてる!!!三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname お前が貧乏ゆすりするからだ!!!北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01



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[37]「火車」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「火車《かしゃ》」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「火車《くわしや》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『画図百鬼夜行』巻2「火車《くハしや》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]
[江戸東京博物館所蔵 CC BY-SA 4.0]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。



haname【解説】

 石燕の絵では毛むくじゃらの獣なのに、なぜか『怪物画本』ではブチ柄になっていて弱そうです(笑)

「火車」は葬礼などで人の死体を奪う妖怪です。

「火車」といえばこの石燕の絵がよく紹介されるのですが、みなさんも疑問に感じられていると思われますが、「火車」って名前のなのに、車が描かれてないんですよね。

 で、室町時代の絵巻が元になっていると思われる『百怪図巻』を見てみましたら、獄卒(地獄の鬼)らしき獣が火の車を引いています。
おそらくこれが元の火車の姿でしょう。

Suushi Kasha.jpg
Sawaki Sūshi (佐脇嵩之, Japanase, *1707, †1772) - scanned from ISBN 978-4-336-04187-6., パブリック・ドメイン, リンクによる

『百怪図巻《ひゃっかいずかん》』「火車《くハしや》」[元文二(1737)年成立、佐脇嵩之《さわきすうし》作]※オリジナルは室町時代か

 ほかにも、『新御伽婢子』と『近代百物語』でも、獄卒(牛頭馬頭《ごずめず》)が火の車を引いている絵が描かれています。
新御伽婢子
『新御伽婢子《しんおとぎぼうこ》』巻一の六「火車櫻《くわしやのさくら》」[天和三(一六八三)年刊、西村市郎右衛門作]


近代百物語
『近代百物語《きんだいひゃくものがたり》』巻五の一「巡《めぐ》る報《むく》ひは車《くるま》の轍《わだち》」[明和七(一七七〇)年刊。鳥飼酔雅作]
[富山大学附属図書館所蔵 CC BY]


 でも、石燕の絵は、獄卒っぽくないんですよね。
 ほかでは見られない石燕オリジナルの火車のビジュアルです。
 何だか猫のような獣っぽいんですよね。

 そうです、火車の正体が猫とされている場合もあるんです。
 おそらく、石燕は火車猫説をふまえて描いたのではないかと。

 たとえば『多満寸太礼』と『御伽人形』では、火車は猫又及び仲間の猫とされています。※『御伽人形』では火車という名称は出てこない。

玉すだれ+
『多満寸太礼《たますだれ》』巻四の三「火車之説《くわしやのせつ》并びに猫《ねこ》死骸《しがい》を取る事」[宝永元(一七〇四)年刊。辻堂兆風子作]


御伽人形
『御伽人形《おとぎにんぎょう》』巻一の三「幻《まぼろし》に見る人知らぬ貍《ねこまた》」[宝永二(一七〇五)年刊、苗村松軒作]


 獣系で言うと、『茅窗漫録』では、火車の正体は魍魎《もうりょう》とされ、耳毛の長いキツネのような姿で描かれています。
茅窗漫録
『茅窗漫録《ぼうそうまんろく》』巻三「火車」[天保四(1833)年刊、茅原定作]


 元々は奪った死体を乗せるための火の車を引いていた火車という妖怪ですが、そのうち火車という名前だけが残って、火の車を引いてなくても、死体を奪う妖怪全般が火車と呼ばれるようになったと思われます。

 なので、獄卒や猫以外が火車の正体である場合も少なからずあります。

 例えば、『因果物語』では松明《たいまつ》を持った二人の男、
※本文中では松明ではなく大きな光。本文中では二人の大男だが、挿絵ではそれほど大きくない。
因果物語
『因果物語《いんがものがたり》(平仮名本)』巻四の五「生きながら火車《くわしや》に取られし女の事」[寛文年間(一六六一~一六七二)刊か、鈴木正三原作]


『奇異雑談集』では雷のような姿、

Kii-zotan-shu Kasha.jpg
Unknown (Japanese) - scanned from ISBN 978-4-00-302571-0., パブリック・ドメイン, リンクによる


『狗張子』では天狗、
※火車の正体は明記されていないが、和尚のセリフ「往古《そのかミ》ハ関東方《くわんとうがた》、人 死《し》すれバ火車《くハしや》の来りて尸《かバね》を奪ひ取り、引き裂きて大木の枝に掛け置《お》きたる事も多かりしを」で、火車の正体が天狗であることを示唆している[天狗は人を引き裂いて枝に掛けると言われている。『狂歌百鬼夜興』などに記載]。
狗張子
『狗張子《いぬはりこ》』巻六の五「杉田彦左衛門《すぎたひこざゑもん》天狗《てんぐ》に殺《ころ》さるゝ㕝《こと》」[元禄五(一六九二)年刊、浅井了意作]
[祐徳稲荷神社所蔵 CC BY]


と言った具合です。

みなさんはどの火車がお気に入りですか?

やっぱり石燕の火車が一番カッコイイかなヾ(๑╹◡╹)ノ"


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三つ目アイコン 実は僕は火車なんだ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 確かに君の家計は火の車だ北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



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[34]「ムジナ」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「「貉《むじな》」」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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 鳥山石燕の妖怪画(『今昔画図続百鬼』)には解説文が書かれているので、原文と現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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Konjakuzokuhyak3Tori_0008+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「狸坊」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『今昔画図続百鬼』巻3「貉《むじな》」
[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。



【原文】【現代語訳】

   貉《むじな》
   貉《むじな》

 貉《むじな》の化《ば》くる事、をさ/\狐《きつね》狸《たぬき》に劣らず。
 貉の化け様は、なかなかどうして狐や狸にも劣りません。

 或る辻堂《つぢだう》に年古《としふ》る貉、僧《そう》と化けて六時《ろくじ》の勤《つと》め怠《おこた》らざりしが、食後《しよくご》の一睡《いつすい》に我《われ》を忘《わす》れて尾《お》を出《い》だせり。
 ある辻堂で年を取った貉が、僧に化けて六時の勤め[朝の六時にお経を読むこと]も怠けず行っていましたが、食後のひと眠りでぼーっとして、思わずシッポを出してしまいました。


haname【解説】

 貉が沸かしている茶釜が分福茶釜を連想させますね。

 分福茶釜はタヌキのお話で、ムジナとタヌキは厳密には別の妖怪というか動物なのですが、この時代、ムジナとタヌキは混同されがちでした。

『怪物図本』では「狸坊」になっちゃってますしね。

 昼寝でシッポが出て正体がバレたのは、茂林寺系の分福茶釜のエピソードが元になっているので、石燕もムジナとタヌキを混同していたかもしれませんね。


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haname こら、三つ目、またやりやがったな!北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン ごめん、昼寝してたら、シッポじゃなくて、オシッコ出ちゃった三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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