haname  今回はネズミの妖怪鉄鼠《てっそ》です北見
 
 鉄鼠は延暦寺横やり抗議して、を絶った園城寺《おんじょうじ》[三井寺《みいでら》]僧・頼豪《らいごう》怨念が、巨大なネズミとなり、延暦寺経文を食い散らかしたという、『平家物語』に書かれているとなった妖怪です。

 ちなみに、『平家物語』では、「頼豪鼠《らいごうねずみ》」と呼ばれています。


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狂歌百鬼夜興
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鉄鼠鉄鼠02
『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。


【原文】


▢鉄鼡《てつそ》

 経文を 喰ひ裂く罰の 頼豪《らいがう》が 鉄の鼠は 話[「歯無し」と掛ける]とぞなる  峨松《がしよう》


【現代語訳】

鉄鼠《てっそ》

 経文を食い破ったが当たって、頼豪化身鉄の歯を持つは、歯無しになってしまったという。  by 峨松《がしょう》


haname【解説】

 頼豪が化けたネズミが、「鉄の歯」を持つとされるようになったのは、『太平記』からのようです。
 
 狂歌は「恨みからとはいえ、であるのに、経文を食い破ってしまった鉄鼠が、仏様バチが当たって、鉄の歯が抜けて歯無しになってしまったがある」という内容です。
 もちろんシャレで、そのような伝承はありませんw
 
 挿絵では、僧体三つ目に見つめられながら、鉄鼠経文食べていますねヾ(๑╹◡╹)ノ"


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画図百鬼夜行
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石燕01
石燕02
『画図百鬼夜行』[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]



【原文】

〇鉄鼠《てつそ》

 頼豪《らいがう》の灵《れゐ》、鼡《ねずみ》と化すと、世に知る所也。


【現代語訳】

〇鉄鼠《てっそ》

 頼豪の霊ネズミの妖怪となったのは、誰も知っていることです。


haname【解説】

 先行鳥山石燕の妖怪画集でも「鉄鼠」の名で描かれています。
 頼豪の霊が化したネズミの事を、「鉄鼠」名付けたのは、鳥山石燕最初だと思われます。
 頼豪の霊ネズミになったは、当時誰もが知る有名エピソードだったのですね。

『狂歌百鬼夜興』完全にネズミの姿でしたが、こちらは人間味が残っていますね。


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狂歌百物語
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三井寺鼠

『狂歌百物語《きょうかひゃくものがたり》』[嘉永六(1853)年刊、天明老人尽語楼《てんめいろうじんじんごろう》編、竜斎正澄《りゅうさいまさずみ》画]
※富山大学附属図書館ヘルン文庫所蔵 富山大学学術情報リポジトリ


haname 【解説】

『狂歌百物語』において、鉄鼠「三井寺鼡《みいでらねずみ》」というで描かれています。

 一番、人間に近い姿で描かれていますね。


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新形三十六怪撰
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芳年
『新形三十六怪撰 三井寺頼豪阿闍梨悪念鼡と變ずる圖』[明治三十一(一八九八)年版、月岡芳年画]



haname【解説】

 ちょっとが足りないので、おまけで芳年鉄鼠を。

 石燕鉄鼠似ていますね。


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三つ目アイコン 
僕は経文よりネズミが食べたいな、じゅる三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"





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