江戸妖怪界隈

江戸時代の妖怪たちを崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

タヌキ

[14]腹鼓 ~妖怪双六~

haname 今回は、腹鼓《はらつづみ》です

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一寿斎芳員画『百種怪談妖物双六《むかしばなしばけものすごろく》』
(安政五[1858]年刊)
百種怪談妖物双六(国会)+


百種怪談妖物双六(国会)

丁鳴原《たんぽはら》の腹鼓《はらつゞみ》

二 九尾《きうび》の狐《きつね》
三 茂林寺《もりんじ》
四 やまびこ
五 見越入道《みこしにうだう》

はらの皮《かハ》そんじて一ト廻《まハ》りやすみ


haname どこからともなく聞こえてくる鼓の音は、タヌキが腹を膨らませて打っている腹鼓だろう、というやつですね♪

 今と違ってこの頃はさえぎるような大きな建物もなく、夜も騒がしくなかったでしょうから、目では全く確認できないようなかなり遠くの音も、風に乗って聞こえてきたのでしょうね。

 全国各地にこのような伝承はあるようで、有名どころでは「本所《ほんじょ》[東京都墨田区]七不思議」の一つに「狸囃子」があり、童謡の「証城寺の狸囃子」もこの手の伝承を元に作られた歌です。


haname 歌のように、この絵でもちゃんと十五夜と思われる満月の下で腹鼓を打っていますね。

 描かれている花は、紫が桔梗《ききょう》で、黄色が女郎花《おみなえし》でしょう。

 どちらの花も「秋の七草」です。

 お月様には、「腹の皮損じて一廻り休み」と書かれています。

 調子に乗って叩きすぎたのか、腹の皮が破れて一回休みということです。


haname「たんぽ原」はおそらく実在の地名ではないと思われます。

「たんぽ」は綿などを布で包んで球状にして、棒を取り付けたりしたものです。
 墨をつけてポンポンと叩いて拓本をとったり、刀をポンポンと叩いて掃除するときなどに使います。
 つまり「たんぽ」を使う際の、「ポンポン」という動作から腹鼓の音を連想して付けられた架空の地名でしょうのでしょう。
 あるいは、タヌキの膨らんだお腹が「たんぽ」の形みたいだからでしょう。

「たんぽ」は漢字で「打包」と書きます。
 更に漢字を変換すると、「包《つつみ》」→「鼓《つづみ》」、「原」→「腹」、従って「たんぽ原」→「打鼓腹」となります。
 つまり、「たんぽ原」は「腹鼓を打つ」と言う意味になります。

 ここでは「たんぽ」は「丁鳴」という字になっていますが、これは腹鼓が「数丁[一丁(町)は約109メートル]もの距離まで鳴り響く」という意味で当てられた、完全な当て字でしょうね。


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haname 何やってるの?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 

三つ目アイコン タヌキが腹鼓なら、僕は頭鼓かなって三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"









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[27]「狸」~パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよヾ(๑╹◡╹)ノ"~

haname 今回の「パクり本(『怪物画本』)と本家(鳥山石燕の妖怪画)を比べてみたよ」は、「狸」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという、意味があるのか無いのかよく分からない企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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15_01GazuHyakkiyagyo1Tori_0021

『怪物画本《かいぶつえほん》』「狸腹鼓《たぬきはらつづみ》」
[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『画図百鬼夜行』巻1「狸《たぬき》」[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


haname【解説】 月を見上げて、腹鼓を打とうとしているタヌキの姿が描かれています。

 タヌキは、結構、違った描かれ方をしていますね。
 石燕の方はリアルで、『怪物絵本』は顔の回りも黒くてモフモフで、マンガチックに描かれています。

 何故か、月の形も違いますね。

『怪物絵本』は川に架かる橋が描かれていませんが、めんどくさかったのでしょうか?

 タヌキに関しては、過去記事に詳しいので、そちらをご参照ください。




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三つ目アイコン 「た」抜きでしゃべったの(いよ)三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[6]狸 ~『狂歌百鬼夜興』に描かれた妖怪たち~

haname 今回は、現代でも生息している、妖怪、というか獣《けもの》の、狸《たぬき》ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
 もちろん、はただの哺乳類の動物なんですが、江戸時代は、狐《きつね》同様に、妖怪として扱われていましたヾ(๑╹◡╹)ノ"

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狂歌百鬼夜興
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狸
『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。


【原文】

▢狸《たぬき》

 八畳に 身を安くして 腹鼓《はらつゞみ》 ちつとも人に 構《かま》はざりけり  岩成《がんせい》


【現代語訳】

▢狸《たぬき》

 キャン玉八畳に広げて、がうるさがろうが、少しも気にかけず、気楽腹鼓を打つのです。 by 岩成《がんせい》


haname【解説】

 挿絵バチを持って腹鼓を叩いている姿が描かれてます。
 どこからともなく聞こえてくる鼓の音は、腹の皮を膨らませて打っている腹鼓だろう、というやつですね♪
 今と違ってこの頃はさえぎるような大きな建物もなく、も騒がしくなかったでしょうから、では全く確認できないようなかなり遠くの音も、に乗って聞こえてきたのでしょうね。
 ちなみに、キャン玉は、八畳にも広がると言われていました。


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狂歌百鬼夜狂
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『狂歌百鬼夜狂《きょうかひゃっきやきょう》』[天明五(1785)年刊、平秩東作《へづつとうさく》編]狂歌百鬼夜狂 / へつゝ東作 [編]


【原文】

   狸 参和《さんな》

 冬枯れて 荒れたる野辺の 腹鼓《はらつゞみ》 是や狸の 化けの皮音[「化けの」と「音」を掛けた]


【現代語訳】

   狸 by 唐来参和《とうらいさんな》

 になって草木が枯れ、荒れ果てた野原に、鼓の音が響き渡ります。
 化けの皮をはがすと[正体は]腹の皮を叩いて出す腹鼓《はらつづみ》の音なのでした。


haname【解説】

 やはり腹鼓を打つイメージ強いみたいです。
 唐来参和は、今ではあまり聞かない名前ですが、当時著名な作家でした。


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画図百鬼夜行
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狸石燕
『画図百鬼夜行』[安永五年(一七七六)年刊、鳥山石燕作画]



haname【解説】

 はい、普通リアルに近い狸が描かれていますね(笑)
 満月に向かって腹鼓を打とうとしている様子でしょうか。


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百種怪談妖物双六
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百種怪談妖物双六(国会)百種怪談妖物双六(国会)+
『百種怪談妖物双六《むかしばなしばけものすごろく》』安政五(一八五八)年刊、一寿斎芳員画



【原文】

▢丁鳴原《たんぽはら》の腹鼓《はらつゞみ》

腹の皮《かは》損じて、一ト廻《まは》り休み

二 九尾《きうび》の狐《きつね》
三 茂林寺《もりんじ》
四 幽谷響《やまびこ》
五 見越入道《みこしにうだう》


haname【解説】

 今回は、江戸時代妖怪双六に描かれているも見てみましょう。

 満月の下腹鼓を打っている様子です。
 キャン玉大きく描かれています。
 描かれているは、桔梗《ききょう》で、黄色女郎花《おみなえし》でしょうかね。
 十五夜のお月様なのでしょうか、どちらの「秋の七草」です。

「腹の皮損じて、一ト廻り休み」、と書かれているように、このマス一回休みのマスです。
 調子に乗って叩きすぎたのか、腹の皮が破れて一回休みということですね(笑)

 数字妖怪の名が描かれていますが、この時代双六は、今の双六と違って、サイコロの目が出たマス移動したようです。
 つまり、「一」が出たら「九尾の狐」のマスに、「三」が出たら「茂林寺」のマス移動すると言った具合です。

 さて、皆さんは「たんぽ原」ってどこ?ってお思いでしょう。
「たんぽ原」はおそらく実在の地名ではないと思われます。

「たんぽ」綿などをで包んで球状にして、を取り付けたりしたものです。
 をつけてポンポンと叩いて拓本をとったり、ポンポンと叩いて掃除するときなどに使います。
 この「ポンポン」という動作から、腹鼓の音連想しますよね。
 いや、の膨らんだお腹が、たんぽの形みたいでもあります。

「たんぽ」漢字「打包」と書きます。
 つまり、「包《つつみ》」→「鼓《つづみ》」「原」→「腹」、従って「たんぽ原」→「打鼓腹」ということで、「たんぽ原」「腹鼓を打つ」と言う意味シャレてつけられた架空の地名でしょう。

「丁鳴」という「たんぽ」と読ませていますが、これは腹鼓「数[一丁(町)は約109メートル]もの距離までり響く」という意味で当てられた、完全な当て字でしょうね。


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北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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