haname  続きまして、そこそこメジャーな妖怪大座頭でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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狂歌百鬼夜興
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大座頭02大座頭01
『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。


【原文】

大座頭《おほざとう》


 大坐頭 汝《なれ》には眼 有らざれど 我に見る目の 有りて恐ろし  呑舟斉《どんしうさい》


【現代語訳】

▢大座頭《おおざとう》


 大座頭よ、お前には目は無い[お前は目が見えないが]には見える目がある。だから、恐ろしいお前の姿見えてしまって怖いのだよ。 by 呑舟斉《どんしゅうさい》

haname【解説】


 座頭は正確には盲人階級の一つですが、江戸時代には盲人全般を指す言葉としても使われていました。
大」というだけあって、大座頭大きな盲人の妖怪なのでしょうが、ここでは、特に大きな頭で描かれており、ぬらりひょんっぽいですね。
 盲人が携《たずさ》わる職業の一つが琵琶法師でしたので、楽器琵琶を弾いていますね。

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狂歌百鬼夜狂
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『狂歌百鬼夜狂《きょうかひゃっきやきょう》』[天明五(1785)年刊、平秩東作《へづつとうさく》編]狂歌百鬼夜狂 / へつゝ東作 [編]


【原文】

   大座頭《おほざとう》  光《ひかる》

 身の丈も 高き利息の 座頭《ざがしら》の 坊金《ぼうがね》[「座頭金《ざとうがね》」と同義か]の祟《たゝ》りの 恐ろ敷臺《しきだい》[「恐ろしき」と「台《しきだい》」を合わせた言葉遊び]


【現代語訳】

   大座頭《おおざとう》  by 頭光《つむりひかる》

「大」と付くだけあって身長が高い妖怪大座頭生前利息が高い金融業を営む座頭でしたが、恐ろしいことに、死後妖怪となって、金を返さなかった者家の玄関先居座り、しつこく取り立てをするのです。


haname【解説】

 座頭には、琵琶三味線マッサージ以外に、金融業を営む者も多くいました。
 幕府庇護《ひご》を受けていたので、それはまあ、座頭には悪徳な高利貸しが多かったようです。
 妖怪のことにしてますが、要は、高利貸しをするリアル座頭恐ろしさを詠んだ狂歌でしょう。


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今昔百鬼拾遺
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大座頭石燕
大座頭石燕+大座頭石燕++
『今昔百鬼拾遺』[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]
※国立国会図書館デジタルコレクション 百鬼夜行拾遺 3巻 [2] - 国立国会図書館デジタルコレクション


【原文】

   大座頭《おほざとう》

 大座頭ハ破《や》れたる袴《はかま》を穿《は》き、足《あし》に木履《ぼくり》を着《つ》け、手に杖《つえ》を突きて、風雨《ふうう》の夜毎《よごと》に大道《だいどう》を徘徊《はいくハひ》す。
 或る人、是に問《と》ふて曰《いハ》く、
「何処《いづく》んか行《ゆ》く」
 答へて曰《いハ》く、
「何時《いつ》も倡家《しやうか》に三絃《さんげん》を弄《ろう》す」
 と。


【現代語訳】

   大座頭《おおざとう》

 大座頭は、破れた袴《はかま》を着て、には木履《ぼくり》を履き、にはを持って突き、風雨の夜ごと大通り徘徊します。
 ある人大座頭に、
どこ行くの?」
 と聞くと、大座頭は、
「いつも遊女屋三味線弾きに行っています」
 と答えたとさ。


haname【解説】

 えと、本文のエピソードを見る限り、風雨の夜に、遊女屋出勤途中座頭さん見かけただけで、妖怪でも何でもない気が(笑)
 描かれてる大座頭も、普通サイズ普通の座頭さんで、妖怪らしくも何ともないですよねヾ(๑╹◡╹)ノ"


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変化物春遊
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変化物春遊_01変化物春遊_02
変化物春遊+_01変化物春遊+_02

『変化物春遊《ばけものはるあそび》』[寛政五(一七九三)年刊、桜川慈悲成作・歌川豊国画]



【原文】

 鷲塚八平次《わしづかはつぺいじ》と言へる浪人有りしが、其の子、毎夜 怯《おび》ゆること三、四 度《たび》にして、夜寝づ。
 八平次、
「余り躙《にじ》れば、獣《けもの》[化物?]にやるなん」
 とて脅し、如何《いか》にも暗き夜《よ》、表の戸を開け、小便遣りて居たりけるに、其の子、
「父様《とゝさま》、お前の座頭殺し給いし夜《よ》ハ、 今宵の様《やう》に暗かりし」
 と言へば、八平次肝を潰し、
「其の事、何とて知りたるや」
 と聞けば、
「暗闇にさも痩《や》せたる盲《めくら》立ちて、我が教へし」
 となん申しける。


【現代語訳】

 鷲塚八平次《わしづかはっぺいじ》という浪人がいました。
 八平次の子供は、近頃、毎晩、三回も四回も怯《おび》えて、寝ることができませんでした。
 あるとても暗い夜に、八平次は、
「そんなに怯えてばっかりいたら、お前獣《けもの》にでもあげちまうぞ!」
 と冗談めかして脅かしながら、玄関の戸を開けて、子供オシッコをさせていました。
 すると、子供は、
父様《ととさま》座頭殺しなさったのは、今日のように暗い夜だったんだね」
 と言うのです。
 八平次ビックリして、
「そのことをどうして知っているのだ!」
 と聞くと、子供は、
暗闇にとても痩せた盲人が立っていて、にそのことを教えてくれたんだよ」
 と言ったのでした。


haname【解説】

 今回江戸時代の妖怪絵本『変化物春遊《ばけものはるあそび》』からも、座頭お話紹介します。

 現代の怪談でも似たような話ありますよね!

 ただ、子供盲人の生まれ変わりとかではないので、その分、怖さ和らいでいる気がします。
 ここに登場するのは、妖怪というより幽霊ですが、前にも述べたように、この時代は幽霊妖怪一種と考えられていたようです。
「座頭殺し」この時代によく見られる題材です。


 先述のように、座頭高利貸し営んでいるものが多く、お金を持っていたので殺されたのか、返済に困った人殺されたのか、なんらかの恨みを買って殺されたのか。。。

 芝居『恋女房染分手綱《こいにょうぼうそめわけたづな》』鷲塚八平次《わしづかやへいじ》という悪役登場するのですが、関係はあるのでしょうか?


 ちなみに『恋女房染分手綱』鷲塚八平次写楽の絵にもありますヾ(๑╹◡╹)ノ"

写楽32+

「谷村虎蔵の鷲塚八平次」[寛政六(一七九四)版、東洲斎写楽画]



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狂歌百物語
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狂歌百物語


『狂歌百物語《きょうかひゃくものがたり》』[嘉永六(1853)年刊、天明老人尽語楼《てんめいろうじんじんごろう》編、竜斎正澄《りゅうさいまさずみ》画]
※富山大学附属図書館ヘルン文庫所蔵 富山大学学術情報リポジトリ


【解説】

 描かれているのは、『今昔百鬼拾遺』の大座頭もそうだったように、どう見ても普通の人間ですよね(笑)
 背負っているのは琵琶でしょうか三味線でしょうか。
 要するに、当時、座頭妖怪ぐらい恐ろしい存在だったということでしょうか?

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※本記事においては、あくまでも江戸時代当時の座頭に対する世間の認識を考察したのであって、差別を助長するような意図は一切ありません。

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三つ目アイコン 大座頭僕と同じ髪型だから、親近感がわくねヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname 髪が無いのに髪型とは、これいかにヾ(๑╹◡╹)ノ"





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