haname 今回は、に現れて沈めようとする舟幽霊ですヾ(๑╹◡╹)ノ"


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狂歌百鬼夜興
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舟幽霊01舟幽霊02
『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。


【原文】

舟幽灵《ふないうれい》  梅季《ばいき》

 西海《さいかい》へ 沈ミし霊の 燃ゆる火に 陰弁慶《かげべんけい》も 出て祈れかし


【現代語訳】

舟幽霊  by 梅季《ばいき》

 西海に沈んだ霊[九州の壇ノ浦に沈んだ平家の霊]燃えている火を見て、家の中でしか威張れない陰弁慶[「内弁慶」と同じ意味]憐《あわ》れんで、外に出てきて祈っています。


haname【解説】

 この狂歌での舟幽霊は、平家の霊による怪火のようです。
 源氏の弁慶から生まれた、陰弁慶という言葉を用いてシャレています。

 挿絵は、高入道が持つから出てきた、に乗って柄杓《ひしゃく》を持つ舟幽霊描かれています。


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狂歌百鬼夜狂
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『狂歌百鬼夜狂《きょうかひゃっきやきょう》』[天明五(1785)年刊、平秩東作《へづつとうさく》編]狂歌百鬼夜狂 / へつゝ東作 [編]


【原文】

   舩幽灵《ふないうれい》  有正《ありまさ》

 面色《めんしよく》も 青海原《あをうなばら》に 浮かみしハ 舩幽灵を 言ひに出《いだ》しか


【現代語訳】

   船幽霊《ふなゆうれい》  by 算木有正《さんぎのありまさ》

 青海原[青く広い海]に映った自分の青白い顔色を見て、「船幽霊だ!」言い出したのでしょうか。


haname【解説】

 船幽霊の正体は、海面に映った自分の顔だったということでしょうか。


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今昔画図続百鬼
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『今昔画図続百鬼』[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]



【原文】

   舟幽霊《ふなゆうれい》

 西國《さいごく》、又は北國《ほくこく》にても、海上《かいじやう》の風激しく、浪《なミ》高き時ハ、波の上に人の形の物、多く現れ、底《そこ》無き柄杓《ひしやく》にて、水を汲《く》む事有り。
 是を舟幽灵《ふなゆうれい》と言ふ。
 是は門渡《とわた》る舟の楫《かぢ》を絶えて、行方《ゆくえ》も知らぬ魂魄《こんぱく》の残りなるべし。


【現代語訳】

   舟幽霊《ふなゆうれい》

 西国、または北国でも、海上の風激しく波が高い時は、波の上人の形をした物が多く現れ底が無い柄杓《ひしゃく》で、水を汲む事があって、これを舟幽霊と言います。
 これは海を渡る舟遭難して、行方不明になった霊魂が、この世残ったものでしょう。


haname【解説】

 舟幽霊「柄杓をよこせ」言うので、そのままの柄杓渡すと、船の中汲まれ船が沈むが、底を抜いた柄杓渡すと、水が汲めないので助かる、というのがよく聞く話です。
 しかし、ここでの舟幽霊最初から底の無い柄杓を持っているようで、船の中汲みようがないので、人畜無害ですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
 どちらにしても、舟幽霊は、海が荒れている時は、船を出さないようにする戒めとして、生まれたのかもしれませんね。

 挿絵は、薄くて見にくいかもしれませんが、船に乗って柄杓を持つ舟幽霊描かれています。


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狂歌百物語
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狂歌百物語
『狂歌百物語《きょうかひゃくものがたり》』三編「牡丹燈籠」[嘉永六(一八五三)年刊、天明老人尽語楼《てんめいろうじんじんごろう》編、竜斎正澄《りゅうさいまさずみ》画]
※富山大学附属図書館ヘルン文庫所蔵 富山大学学術情報リポジトリ


haname【解説】

  挿絵は、霊の形になって、船を襲っています。


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船幽霊関連記事(本館)
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三つ目アイコン 柄杓よこせ三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"


haname ん? この柄杓で、お前から水を掛ければいいのか? それともそのままパコンと叩けばいいのか?北見ヾ(๑╹◡╹)ノ"



妖怪画本・狂歌百物語
京極 夏彦
国書刊行会
2008-08-01









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