浮き憂き江戸文学♪

江戸時代の作品を崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

2024年09月

[16]「狂骨(釣瓶女???)」~徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画~

haname 今回の「徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画」は、「狂骨」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画(『今昔百鬼拾遺』)には解説文が書かれているので、原文と現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。


09_01digidepo_2551541_0006++

digidepo_2551541_0006+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「釣瓶女《つるべをんな》」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『今昔百鬼拾遺』巻三「狂骨」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]



※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】
   
   狂骨《きヤうこつ》
   狂骨《きょうこつ》

 狂骨《きヤうこつ》ハ、井中《セいちう》の白骨《はくこつ》なり。
 狂骨は井戸の中の白骨です。

 卋《よ》の諺《ことハざ》に、甚《はなハ》だしき事を「軽忽《きやうこつ》(軽骨)」と言ふも、此の恨ミの甚だしきより言ふならん。
 この狂骨の恨みがトンデモナイ事から、世間の日常的な言葉として、トンデモナイ事を「軽忽《きやうこつ》(軽骨)」と言うようになったのでしょう。


haname【解説】

 この当時は、井戸に落ちて亡くなったり、井戸に投げられて殺されたり、殺されて井戸に投げられたりして、井戸の中で白骨になる事は、珍しい事ではなかったのでしょうね。
 この井戸で白骨になった者が、狂骨という妖怪になったようです。
 ただ、具体的にどのようなことをする妖怪かは、全く分かりません。

「狂骨」のトンデモナイ恨みから、「軽忽《きやうこつ》(軽骨)」という言葉が生まれたと言っていますが、もちろんデタラメでしょう(笑)

『怪物画本』では、「狂骨」ではなく、なぜだか、「釣瓶女《つるべおんな》」という名前にしています。
 確かに、挿絵では釣瓶から出現して、女性のように髪が長いですが、なんとも適当なネーミングだこと。

 あと、井戸の周りに生えている植物はススキなどの雑草だと思われますが、『怪物画本』では、赤く着色されてしまっています。。。

---------------


三つ目アイコン ねえねえ、狂骨の胸にある丸いものって、ボタン???三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname たぶん、ボタンじゃなくて、胸骨《きょうこつ》だよ北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




◆北見花芽のほしい物リストです♪ 



web拍手 by FC2 (IDをお持ちででない方もコメントできます)


プライバシポリシー及びメールフォーム



にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村

[15]「紅葉狩」~徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画~

haname 今回の「徹底検証!『怪物画本』と鳥山石燕の妖怪画」は、「紅葉狩」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画をまんまパクって作られた『怪物画本』を、元になった鳥山石燕の妖怪画と比較するという企画でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画(『今昔百鬼拾遺』)には解説文が書かれているので、原文と現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。


09_02digidepo_2551540_0003+

digidepo_2551540_0003++

『怪物画本《かいぶつえほん》』「紅葉がり」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]




『今昔百鬼拾遺』巻二「紅葉狩《もミぢがり》」[安永十(1780)年刊、鳥山石燕作画]



※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】
   
   紅葉狩《もミぢがり》
   紅葉狩《もみじがり》

 餘五将軍惟茂《よごしやうぐんこれもち》、紅葉狩《もミぢが》りの時、山中にて鬼女《きぢよ》に会ひし事、謡曲《ようきよく》にも見へて、皆人の知る所なれバ、此処《こゝ》に贅《ぜい》せず。
 平維茂《たいらのこれもち》が、紅葉狩りの時に、山中で鬼女に会ったことは、能でも演じられて、誰もが知っていることなので、ここで改めて言及はしません。



haname【解説】

「紅葉狩」というのは妖怪名ではなく、この妖怪が登場する能の演目名ですね。
 妖怪名は鬼女《きじょ》です。

 挿絵は、長柄銚子を手に持つ鬼女が描かれています。
 一見、普通の女性に見えますが、手や足が獣のようです。
『今昔百鬼拾遺』には描かれている手足の毛が、『怪物画本』では省略されていますね。
 表情も全く違います。


---------------


三つ目アイコン もうすぐ紅葉狩りの季節だね三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

haname お前は丸刈りだけどな北見ヾ(๑╹◡╹)ノ" 



画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




◆北見花芽のほしい物リストです♪ 



web拍手 by FC2 (IDをお持ちででない方もコメントできます)


プライバシポリシー及びメールフォーム



にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村

広告
記事検索
プロフィール

北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

読者登録
LINE読者登録QRコード
メールフォーム

お仕事の依頼・お問い合わせ等はこちらからお願いします。

名前
メール
本文
  • ライブドアブログ