浮き憂き江戸文学♪

江戸時代の作品を崩し字と共に分かりやすく紹介します♪

2024年05月

[5]「玉藻前」対決! ~『怪物画本』VS 鳥山石燕~

haname 今回「『怪物画本』VS 鳥山石燕」は、「玉藻前《たまものまえ》」対決ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画(『今昔画図続百鬼』)には解説文が書かれているので、原文現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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『怪物画本《かいぶつえほん》』「玉藻前」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔画図続百鬼』巻一「玉藻前」[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】

   玉藻前《たまものまへ》
   玉藻前《たまものまえ》

『瑯邪代醉《らうやだいすい》』に『古今事物考《ここんじぶつかう》』を引きて云ふ、
『琅邪代酔編《ろうやだいすいへん》』[中国明代の書]には、『古今事物考《ここんじぶつこう》』[中国明代の書]引用して、のように書かれています。

「商《いん》の妲巳《だつき》ハ、狐《きつね》の精《せい》なり」と、云々《うんうん》。
「商《いん》[中国の古代王朝]の妲己《だっき》[紂王《ちゅうおう》の妃《きさき》]は、狐の妖怪です」etc

 其の精《せい》、本朝《ほんてう》に渡りて、玉藻前《たまものまへ》と成《な》り、帝王《ていわう》の御側《おそば》を汚《けが》セしとなん。
 その妖怪日本に渡って玉藻前《たまものまえ》となり、鳥羽上皇御側仕え惑わしたそうです。

 全て淫声美色《いんせいびしよく》の人を惑《まど》ハす事、狐狸《きつねたぬき》よりも甚《はなハ》だし。
 そもそも、いやらしい声美人(美女)が、人(男)惑わすことは、狐や狸の仕業とは比べ物にならないほど多くあります。


haname【解説】

 玉藻前はいわゆる九尾《きゅうび》の狐です。
 最後殺生石《せっしょうせき》となって、でも毒ガス噴射し続けています。

 イラストは、帳台《ちょうだい》に座る十二単《じゅうにひとえ》を着た玉藻前の姿描かれていますが、ちゃんと狐のシッポ見えていますね。
 両者比べると、やはり着物とかの緻密さ異なります。


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三つ目アイコン よし、美女化けて北見花芽惑わす三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目美女


haname おえ~っ!北見ヾ(๑╹◡╹)ノ"




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[4]「酒呑童子」対決! ~『怪物画本』VS 鳥山石燕~

haname 今回「『怪物画本』VS 鳥山石燕」は、「酒呑童子《しゅてんどうじ》」対決ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 鳥山石燕の妖怪画(『今昔画図続百鬼』)には解説文が書かれているので、原文現代語訳もちゃんと載せますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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Konjakuzokuhyak1Tori_0017+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「守屋靈《もりやのれい》 寺突《てらつゝ》き」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔画図続百鬼』巻一「寺《てら》突《つゝ》き」[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]


※画像の調整、赤字の書入れは筆者。


【原文】
【現代語訳】

   酒顚童子《しゆてんどうじ》
   酒顚童子《しゅてんどうじ》

 大江山《おほえやま》生野《いくの》の道に行《ゆ》き交《か》ふ人の財宝《ざいほう》を掠《かす》め取りて、積《つ》ミ貯《たくハ》ふる事、山の如し。
 酒顚童子は、大江山を越えて、生野から丹後に向かう道を、行き来する人金品奪い取ってのように積ん貯えていました。

 輟耕録《てつこうろく》に所謂《いハゆる》、鬼贓《きざう》の類なり。
『輟耕録《てっこうろく》』[中国の随筆。一三六六年序、陶宗儀《とうそうぎ》作]書かれている「鬼贓《きぞう》」[猿の妖怪が持っていた財宝の話]のようなものです。

 むくつけき鬼《おに》の肘《かいな》を枕《まくら》とし、見目好《ミめよ》き女に酌《しやく》取らせ、自《ミづか》ら大盃《おほさかづき》を傾《かた》ぶけて楽《たの》しめり。
 恐ろしい鬼の腕にし、美しい女酌《しゃく》をさせ、酒顚童子大盃を飲んで楽しみました。

 然《さ》れど、童髪《わらハがミ》に緋《ひ》の袴《はかま》着たるこそ、優しき鬼《おに》の心なれ。
 しかし、子供の髪型をして、緋色《ひいろ》の袴《はかま》着ているのは、この鬼(酒顚童子)が実は優しい心持っているという事です。

 末世《まつセ》に及んで、白衣《びやくゑ》の化物《ばけもの》出《いづ》ると、聖教《セうげう》にも侍るをや。
 なにしろ、末世《まっせ》[仏教が衰えた世の中]になると、緋色などではなく、白い着物の化け物が出ると、聖人の教えにもありますから。


haname【解説】

 これもほぼ同じ絵描かれていますが、着物の柄が全く違いますね。

 鬼の腕と言うか、鬼そのものもたれかかる酒呑童子と、酒を注ぐ大きな銚子《ちょうし》を持った女性描かれています。

 比べると、やはり石燕の方が圧倒的画力が上ですね。

 カラーであるというだけが『怪物画本』アピールポイントなのですが、酒呑童子の肌の色袖口の色が全く同じで、同化してしまっているのは、どうかと。

 末世現れるという白衣の化物については、よく分からないのですが、黒衣なので、それに相反する存在ということなのでしょうか?


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三つ目アイコン 北見花芽腕枕して欲しいな三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"


haname ただただ気持ち悪い北見ヾ(๑╹◡╹)ノ"




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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[3]「寺つつき」対決! ~『怪物画本』VS 鳥山石燕~

haname 今回「『怪物画本』VS 鳥山石燕」は、「寺《てら》突《つつ》き」対決ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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Konjakuzokuhyak1Tori_0020+

『怪物画本《かいぶつえほん》』「守屋靈《もりやのれい》 寺突《てらつゝ》き」[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢《りかんみつかた》画、鍋田玉英《なべたぎょくえい》模写]



『今昔画図続百鬼』巻一「寺《てら》突《つゝ》き」[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]


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【原文】
【現代語訳】

   寺突《てらつゝ》き
   寺突《てらつつ》き

 物部大連守屋《ものゝべのおゝむらじもりヤ》ハ、佛法《ぶつぱう》を好まず、厩戸皇子《むまヤどのわうじ》の為《ため》に滅ぼさる。
 物部守屋《もののべのもりや》は、仏教好まなかったので、仏教推進した厩戸皇子《うまやどのおうじ》(聖徳太子)によって滅ぼされました。

 其の霊《れい》、一ッの鳥と成《な》りて、堂塔伽藍《だうとうがらん》を毀《こぼ》たんとす。
 守屋の霊は、一羽の鳥となって、寺の建物壊そうとしました。

 是を名付けて寺突《
てらつゝ》きと言ふとかや。
 この鳥名付けて、寺突《てらつつ》きと言うそうです。


haname【解説】

 どちらも、ほぼ同じ構図で、息絶えた守屋の、結んでいる手の中から、飛び立つ様子が描かれています。

 ただ、髪型がちょっと違って『怪物画本』の方は省略されています。

 寺突《てらつつ》きという正体は、キツツキの一種アカゲラだと言われているので、『怪物画本』の方はそれっぽい着色がしてあるのでしょうかね。


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三つ目アイコン は、聖徳太子にも、諭吉にも、栄一にも縁が無いし、毛も無い三つ目ヾ(๑╹◡╹)ノ"




画図百鬼夜行
鳥山 石燕
国書刊行会
1992-12-01




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北見花芽

文学やったり音楽やったり美学を貫いたりしてる自由人です♪
一応、それなりに江戸文学の専門的な研究をして、それなりの学位を取得していますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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