
資料がほとんど見つからなかったので、今回は短めですヾ(๑╹◡╹)ノ"
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狂歌百鬼夜興
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『狂歌百鬼夜興《きょうかひゃっきやきょう》』[天保元(1830)年刊、菊廻屋真恵美《きくのやまえみ》編、青洋《せいよう》画、虎岳《こがく》画]
大阪公立大学中百舌鳥図書館所蔵(CC BY)国書データベース
※カラーの画像は、こちらでご覧になれます。国書データベース
※以下、赤字の書入れは筆者。
【原文】
▢火消婆《ひけしばゞ》 苅藻《かるも》
一《ひと》つ家《や》の 破《や》れ行燈の 火消し婆〻 髪も乱れて 骨露《ほねあら》ハなり
【現代語訳】
▢火消婆《ひけしばば》 by 苅藻《かるも》
一つ家の破れた行灯《あんどん》の火を消す婆は、髪も乱れて、痩せこけてあばら骨が露《あら》わになっています。

一つ家に住むのは鬼婆です[「一つ家の鬼婆」または「浅茅ヶ原《あさじがはら》の鬼婆」]。
狂歌は、鬼婆が行灯の火を消す様子を、火消婆と言っているようです。
狂歌は、鬼婆が行灯の火を消す様子を、火消婆と言っているようです。
破れた行灯の骨組みが露わになっているのと、痩せた婆のあばら骨が浮き上がって露わになっているのを掛けています[一つ家があばら家というのにも掛かっている]。
挿絵は火柱をうちわで消そうとする火消婆が、金の精に驚いている様子が描かれています。
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今昔画図続百鬼
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『今昔画図続百鬼』[安永八(一七七九)年刊、鳥山石燕作画]
【原文】
火消婆《ひけしばゞ》
夫《そ》れ、火ハ陽氣《やうき》なり。
妖《よう》ハ陰氣《いんき》なり。
烏羽玉《うばたま》の夜《よ》の暗きにハ、陰氣《いんき》の陽氣《やうき》に勝つ時なれば、火消婆《ひけしばゞ》も有るべきにや。
[「烏羽玉《うばたま》の」は「夜」に掛かる枕詞]
【現代語訳】
火消婆《ひけしばば》
そもそも、火は陽の気で、妖は陰の気です。
暗い夜は、陰気が陽気に勝つ時間帯なので、火消婆《ひけしばば》も現れるのでしょうな。

この鳥山石燕の絵が火消婆の初出というか、火消婆は石燕の創作妖怪でしょう。
夜に出るという以外、火消婆がどんな妖怪なのかはサッパリ分かりません。
火を消すという事は、火遊び[女遊び]を戒めているのでしょうか?
挿絵は、物陰から提灯の火を吹き消している火消婆が描かれています。
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怪物画本
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『怪物画本《かいぶつえほん》』[明治十四(一八八一)年刊、李冠光賢画、鍋田玉英模写]

火消婆に関する資料があまりにもないので、おまけで『怪物画本』から。
『怪物画本』は、李冠光賢画、鍋田玉英模写、と記載されていますが、ご覧の通り、鳥山石燕の妖怪画をそのまんまパクって作られた本ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
「吹っ消し婆々」と微妙に妖怪名が変えられてるのがまた、何とも言えませんヾ(๑╹◡╹)ノ"




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